2023.08.09 スキンケア

レチノールとは?効果や副作用、使用方法やレチノールが含まれている製品も解説

スキンケアコスメにはさまざまな美容成分が配合されていて、乾燥やエイジングサインなど肌悩みの改善をサポートしてくれています。

最近よく聞くレチノールも肌悩みを改善してくれる美容成分のひとつで、健康的な肌を作るのにおすすめの成分です。

しかしいまいちレチノールとは何なのか分からない人も多いでしょう。副作用や使用方法についても不安に感じている人もいると思います。

今回の記事ではレチノールとはそもそも何なのか、効果や使用方法について解説していきます。レチノールについて気になっている人はぜひ最後まで読んでみてください。

レチノールとは?そもそも何?

茶色のメイクボトルの画像
レチノールとはビタミンAの一種で、従来ニキビの治療薬として用いられた成分です。

2017年に資生堂が申請し、シワ改善に効果のある有効成分(※)として厚生労働省に承認されたのをきっかけに美容成分として一気に注目されるようになりました。

レチノールには主にレチノイン酸、ビタミンA誘導体、そしてレチノールの3種類があります。

レチノイン酸は刺激が強いため、医師の監修のもとで使うことを推奨しています。そのため一般的な化粧品に配合されているレチノールは、ビタミンA誘導体とレチノールのどちらかということになります。

それでは、肌トラブルに悩む人の救世主ともいえるレチノールについて詳しく解説していきましょう。

※純粋レチノールの場合

参考サイト:資生堂、首のしわの改善効果を新発見、8週間で実現 ~レチノールの新効果 真皮に届きコラーゲン・ヒアルロン酸など産生促進~|株式会社資生堂のプレスリリース

ビタミンAの一種

レチノールとはビタミンAの一種で、シワやたるみなど年齢を重ねた肌悩みのケアや、紫外線による肌トラブルの改善を期待して化粧品や医薬部外品に用いられることが多い成分です。

ビタミンAは油に溶けやすい性質をもつ脂溶性のビタミンで、皮膚や粘膜を強くしたり、抵抗力を高めたりする効果があるとされています。

レチノール配合の化粧品で肌へ浸透させる方法のほかに、ウナギや豚レバーなど動物性食品から摂取することも可能です。

欧米では昔から重宝されてきた美容成分

2017年に厚労省が承認したことがきっかけで美容成分として注目されるようになったレチノールですが、欧米では40年以上前にニキビ治療薬として認可を受けている成分です。

そしてニキビ治療を進める中で、しわも改善されたことをきっかけに美容成分としても注目されるようになりました。

日本では厚生労働省がしわ改善に効果がある有効成分として承認したのをきっかけに、さまざまなコスメブランドから多くのレチノール含有コスメが発売されるようになりました。

レチノールがもたらすとされる効果

花に囲まれるボトルの画像
レチノールは、資生堂がレチノールを配合した製品を目尻にシワがある女性を対象に臨床実験を行い、深いシワやちりめんジワが改善されたことを証明しています。

臨床結果を踏まえて厚生労働省は「レチノールは皮膚のオーバーを促進する」ことと「表皮ヒアルロン酸の生成を促進し、水分量を増加させてシワの改善に繋げる効果がある」ということを承認しました。

厚生労働省が医薬部外品の有効成分として承認したレチノールには、以下のような効果が期待できます。

・ニキビ対策
・しわやたるみ対策
・シミ改善や美白効果

<参考資料>
有効成分レチノールによるしわを改善する効能効果の承認を日本で初めて取得 ―9週間で「深い」しわを改善―|株式会社資生堂のプレスリリース (prtimes.jp)
薬事・食品衛生審議会 化粧品・医薬部外品部会 議事録(2017年1月20日) (mhlw.go.jp)

ニキビ対策

レチノールはニキビなど、皮脂の過剰分泌が原因で起きる肌トラブルを改善する効果が期待できます。

先でも解説したように、欧米ではレチノールはニキビ治療に効果があると認可され、40年以上使用されてきた歴史もあります。

皮脂が過剰分泌する原因のひとつにビタミンA不足があると考えられています。ビタミンAの一種であるレチノールを肌に塗布することで、皮脂の分泌量を正常化しニキビ肌を改善へと導いてくれるのです。

さらに抗炎症作用でできてしまったニキビの炎症を鎮めたり、メラニンの排出を促してニキビ跡を改善したりする効果もあるといわれています。

しわやたるみ対策

レチノールは、しわやたるみ対策にもおすすめの成分です。

しわやたるみはコラーゲンやヒアルロン酸の減少が原因とされていて、コラーゲンは20歳頃、ヒアルロン酸は40歳後半をピークに減少していくといわれています。つまり年齢を重ねる以上、避けては通れない現象なのです。

レチノールはしわやたるみに関わるコラーゲンやヒアルロン酸の生成を促し、気になるしわやたるみの改善に効果を発揮してくれます。

年齢サインが出る前の予防として、レチノールを取り入れるのもおすすめです。

シミ改善や美白効果が期待できる

レチノールは、シミ改善や美白を意識したスキンケアをする人にもぜひ取り入れて欲しい美容成分です。

シミの主な原因とされるのは、メラニン色素と呼ばれる色素です。

肌のターンオーバーのサイクルが乱れると、メラニンがなかなか排出されにくくなり、結果としてシミや肌のくすみとなってしまいます。

レチノールは、肌のターンオーバーを促し、メラニンの排出の手助けをしてくれるため、シミやくすみの気にならない明るい肌に導いてくれます。

毛穴のたるみや黒ずみの改善

たるみが原因で起きる毛穴の開きや、毛穴の黒ずみにもレチノールがおすすめです。

毛穴の開きにはさまざまな原因が考えられますが、中でもたるみによるものと、皮脂の過剰分泌による毛穴の開きにはレチノールが有効です。

コラーゲンやヒアルロン酸の生成を促し、奥からふっくらと肌を押し上げて毛穴の目立ちを軽減します。

また、レチノールで皮脂の分泌量を整えることで、皮脂の酸化によって起きる毛穴の黒ずみの改善や毛穴の詰まりを軽減し、過剰皮脂による毛穴の開きも改善してくれます。

毛穴のたるみや黒ずみが気になる人は、レチノールをスキンケアに取り入れてみてはいかがでしょうか。

レチノール含有コスメの選び方と注意点

白いコスメボトルの画像
しわ改善効果があると認められて以降、多くの化粧品ブランドがレチノール配合コスメの開発に乗り出しました。そのためいざ購入しようと思っても、どれを選べばいいのか迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。

またレチノールは初めて使う人の場合、濃度によってはレチノール反応(レチノイド反応、A反応ともいう)を起こすことがあります。

レチノール配合コスメの選び方のポイントと注意点を解説するので、レチノールに不安のある人やレチノール製品選びに迷っている人は参考にしてみてください。

レチノールの濃度を確認する

初めてレチノール製品を使用する人は、レチノールの濃度を確認してください。

レチノールは人によっては、肌の乾燥や赤み、皮むけや肌のヒリつきなどの副作用がでる人がいます。レチノールの濃度が高くなればなるほど、副作用も出やすくなります。

そのような副反応はレチノール反応といい、レチノールに慣れてくると自然に治まることがほとんどです。そのため、副反応を最小にするためにも、濃度の薄いものから徐々に慣らしていくことをおすすめします。

むやみにレチノールの濃度が高いアイテムを取り入れるのは、肌トラブルを招く原因にもなるので、濃度に注意して選ぶようにしましょう。

肌質にあったものを選ぶ

初めてレチノールを使う人や敏感肌の人は、赤みや皮むけなどの副作用が出る可能性が高くなります。

敏感肌には刺激が少なく副反応が出にくい、次世代のレチノールといわれているバクチオールや水添レチノールがおすすめです。

敏感肌ではない人でも、まずは刺激が少ないパルミチン酸レチノールや、酢酸レチノールなどのアイテムから肌を慣らしていきましょう。

また、刺激や乾燥から肌を守るために、抗炎症作用をもつ成分や保湿成分が配合されているとより安心です。

保存方法を確認する

レチノールは空気や紫外線、熱の影響を受けやすい成分であるため、保存方法には注意が必要です。

できるだけ日の光が当たらない場所で保管し、高温多湿な場所は避ける方が安心でしょう。

遮光ビンに入っているタイプのものや、空気が入らないよう工夫されたものを選ぶのもおすすめです。

中身が劣化しているのに気が付かず使用してしまうと、肌トラブルが起きる可能性もあります。保存方法に気を付けて、開封後はできるだけ早く使い切りましょう。

レチノールの使い方

手に白いクリームを塗る画像
スキンケアは、油分の少ないものから順に使用するのが良いとされています。

レチノールは油性の成分なので、基本的には洗顔後、化粧水で肌にうるおいを与えた後に使うのがおすすめです。

レチノール美容液であれば、化粧水のあとにレチノールを塗布し、乳液やクリームでフタをします。クリームに配合されているレチノールであれば、スキンケアの1番最後に使用してください。

ただし化粧水に配合されている場合は最初に使っても問題ありません。

朝のスキンケアに使用するのも問題ないですが、レチノールは紫外線に弱い成分と言われているため、夜のお手入れに使うことをおすすめします。

商品によっては朝の使用を推奨しているものもありますが、塗布したあとに紫外線を浴びてしまうと効果を半減させてしまうため、日焼け止めをしっかり塗るようにしてください。

また乾燥や赤みなどレチノール反応が出ているときは肌が敏感になっているため、日中の使用にはより注意が必要です。

※ここで解説しているのは一般的な方法で、基本的には商品の説明書に従ってください

レチノールで年齢を感じさせない美肌を作る

黒いコスメボトルの画像
レチノールとは、年齢や皮脂の過剰分泌などによる肌悩みを改善するのに有効な美容成分です。

ただし、レチノールの種類によっては乾燥や赤みなどのレチノール反応が起きる可能性もあり、使い方には注意が必要です。

副反応を最小限に抑えるためにも刺激の少ないバクチオールやパルミチン酸レチノールから始めることをおすすめします。また、使いはじめは顔全体ではなく一部分のみの使用や週2〜3回の使用にとどめてみて、肌の反応を見ながら使っていくのも良いでしょう。

しわ改善やハリアップ、ニキビ肌の改善などさまざまな効果が期待できるレチノール成分。肌トラブルやエイジングサインで悩んでいる人は、まずは刺激の少ないレチノールから始めてみてはいかがでしょうか。

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